セッション総括

松浦議長 セッション1で登壇した米NRC委員のマグウッドさんから、コメントを。

マグウッド氏 米国では9.11のとき、「二度と起こしてはならない」と肝に銘じたものだが、今回、日本でも、3.11を受け、同じような思いを持っていると思う。本セッションを聞いて、福島事故に対し、各者それぞれ違った見方もあるのかもしれないが、結果として世界で同じようなアプローチがとられているものと思った。TMI、チェルノブイリ、いずれもグローバルな事故で、そこから多くを学ばねばならないし、かといって、「誰かがいけない」ではなく、「自分だったかもしれない。たまたま福島だった」という認識で、今回、発表されたのだと思う。NRCとしても、是非皆さんと連携していきたい。

松浦議長 安全に関して、他産業と連携する意義について、会場からも様々な意見があった。それでは、安全の価値とは一体何かと問うたとき、安全がなかったらどういう状況になるかと考えてみると、人間のあらゆる活動、つまり基本的人権が阻害される。安全とは、人間の基本的人権を守ることで、どのような産業・行為においても、人々が連携する理由、可能性、責任があるものと思う。

今日の話を聞いて、国際的な知見、経験を十分に共有する必要、可能性が示された。継続的に努力し最高水準を目指すことで、予測を越える事態が起こったとしても社会を守ることが可能ではないか。次は、それらを現実化するための道筋がわれわれに課せられており、そのことが社会の信頼を取り戻す道筋でもあると感じている。

本セッションを、3つの言葉で締めくくりたい。「All in one boat」(世界は1つの船の乗員)、「Never give up」(あきらめるな)、「Never fall in complacency」(自己満足に陥るな)。


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