5月中に原案取りまとめ 原子力 どこまで下げるか!?

経済産業省の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会(委員長=三村明夫・新日本製鉄会長)は14日までに、エネルギーミックス選択肢に関する議論を整理し、あと2回の会合で月内にエネルギー・環境会議に報告する「エネルギーミックスの選択肢の原案」取りまとめを目指すとした。

同委員会は、9、14日の会合で、原子力発電、再生可能エネルギー、火力発電、コジェネ・自家発の各エネルギー源ごとの論点、横断的事項などを整理し、「エネルギーミックスの選択肢の原案」の策定に向けた議論の集約を行った。原子力発電への依存度をできる限り低減することが議論の出発点となっていたが、その中長期的な位置付けについて、(1)早期にゼロを目指すべき(2)依存度を低減させるが活用すべき(3)エネルギーミックスは社会的コストを負担する仕組みの中で需要家が選ぶべきもの――に意見を整理した。原子力の依存度低減を図るため、再生可能エネルギーや省エネルギーの技術革新に依存する面が大きくなるが、当面はある程度、火力発電・化石燃料に関しては、依存せざるを得ないことなど、意見が一致したとしている。また、原子力発電比率は、2030年のみでなく、それ以降の長期的な方向性も示すべきとの意見も掲げた上、方向性を検討する必要も示唆した。

横断的事項としては、エネルギーシステムの改革、地球温暖化対策、経済影響、技術革新、国際情勢などについて、議論を整理した。経済影響分析に関しては、原案検討の一助とすべく、9日の会合で、専門家・研究機関より試算結果が紹介され、2020年断面のエネルギーミックスのビジョン想定にも資することとなっている。一方で、将来的に不確実な要素も多いことから、「拘束性の強い目標等の提示は最小限に止め、幅を持った想定を行うべき」との意見も多く、これらを踏まえ、エネルギーミックス選択肢の候補は、「定量的なイメージ」と「必要な政策」の双方を含むものとして、議論を深めていく必要があるとしている。

また、今後の国民的議論に関連して、委員の枝廣淳子氏(幸せ社会経済研究所所長)が、14日の会合で、若者の視点をエネルギー政策に取り入れる考えから開催している「eneyan」によるグループワーク活動について紹介した。


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