政府が事業計画認定 柏崎原発再開も見込む 東電 10年間で3兆円超削減

東京電力が原子力損害賠償支援機構と共同で策定した総合特別事業計画が9日、政府より認定された。福島原子力事故に伴う大規模な損害賠償に対処すべく、法律に基づき、同機構が電力に資金援助を行うため、作成したもので、(1)親身・親切な賠償(2)原子力事故の収束(3)電力の安定供給の確保(4)経営の合理化――を「新しい東電」の方向性に掲げ、東京電力は今後10年間で3兆円超のコスト削減を図るほか、「賠償・廃止措置・安定供給」の同時達成に向け、構造的な経営課題に対策を講じるべく、事業改革、意識改革に取り組む。

特別事業計画の認定は9日、官邸内で行われた閣僚会合で決定後、枝野幸男経済産業相(原子力損害主務大臣)より、西澤俊夫・東京電力社長と杉山武彦・支援機構理事長に伝達された。

これを受け、東京電力本社内で記者会見を行った西澤社長(=写真、右から2人目)は、「ゼロからの再出発、もう後はない」などと、徹底した経営体制の刷新を図り、計画の実現に全力をあげる考えを示し、経営再建の道筋については、「この10年以内に目鼻を付けたい」として、新たな経営陣の手腕に期待をかけた。また、13年度からの再稼働を目指す柏崎刈羽原子力発電所に関しては、「計画ありきではなく」として、安全性と地元理解の確保に努めていくとしている。

東京電力と機構は、11年11月に、原子力災害被災者に対する損害賠償の適切な実現に向け、緊急特別事業計画を策定しており、今回の総合特別事業計画は、その改定版との位置付けになっている。今回計画では、要賠償額を約2兆5000億円と見通している。また、12年12月末までの福島第一廃止措置関連費用として計9002億円が計上済みのところ、現段階で各工程の具体的な費用の積み上げによる総額見積りは困難だが、着実な廃止措置に向け、財務基盤の抜本的充実を背景に、安全性確保のために十分な支出を行うとしている。

今後の事業運営については、「責任を全うする」、「開かれた東京電力へ」、「お客様・社会とともにエネルギーサービスを変革する」を基本に据え、全グループ大で事業の精査を行った上、「経常的な合理化」、「構造的な合理化」、「戦略的な合理化」の3段階で合理化に取り組み、設備投資の削減、資産売却などを通じて、21年度までの10年間で3兆3650億円超のコスト削減を図ることとしている。

また、財務基盤の強化を図るため、東京電力は、電気料金の改定を行うこととしているが、12〜14年度の料金原価算定上、柏崎刈羽1、5、6、7号機を13年度から、同3、4号機を14年度から順次、稼働することを見込んでいる。


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