チェコのテメリン3、4号機計画 建設パートナーの募集へ

テメリン3、4号機の完成計画を進めているチェコ電力(CEZ)は9日、戦略的パートナーを迎える可能性について検討を開始したことを明らかにした。複数企業の連合による原発の建設・操業は欧州では珍しくないと強調する一方で、建設に伴うリスクの分散が可能となる点やプロジェクトが成功した際の利益をその他の魅力的な案件に回せる、などの点を考慮したと説明している。

作業が一時期中断していた3、4号機建設計画では、2009年8月にCEZ社がこれらを完成させるための公開入札を開始。第1段階の適性条件をクリアした(1)ウェスチングハウス(WH)社(2)仏アレバ社の企業連合(3)ロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)社とスコダ社の企業連合――に対し、昨年10月末に詳細な入札招請書を手渡した。

第3世代か同プラスのPWRで出力100万kW以上の原子炉2基をターンキー契約で導入する方針で、2013年後半までに原子炉メーカーを選定することになっている。

CEZ社の現在の構想では、メーカーとの契約書調印後に戦略的パートナーと連合を組む段取りで、メーカーの選定結果も潜在的なパートナーを決定する際の基準の1つ。複数の市場分析結果に基づいて、10社以上のエネルギー企業を招聘する可能性があり、テメリン計画への関心のあるなしに関わらず、欧州企業を中心に透明性のある入札方式で選択する計画だ。

CEZ社のD.ベネシュ会長は、「最初は当社の財源等で資金を調達する予定だったが、パートナーと企業連合を組めば、原子炉建設に伴う新たなノウハウも獲得可能になる」と指摘。リスク分散や投資機会拡大などの他にも利点があるとしている。


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