福島第一4号機 原子炉建屋カバー工事開始 燃料取り出しの第一歩

東京電力は福島第一原子力発電所4号機の燃料プール内にある使用済み燃料を取り出すため、原子炉建屋のカバー設置の本工事に着手している。

使用済み燃料プールからの燃料取り出しのため、燃料取扱設備の支持、燃料取り出し作業環境の整備、燃料取り出し作業に伴い発生する放射性物質の飛散・拡散抑制を目的とするもの。約69メートル(南北)×約31メートル(東西)×約53メートル(地上高)の大きさで、主体構造は鉄骨造であり、壁面および屋根面は風雨を遮る外装材で覆う計画である。屋根面および壁面上部には勾配を設け、雨水の浸入を防止する。

同カバーは隙間を低減するとともに、排気はフィルタユニットを通じて行い、カバー内の放射性物質の大気への放出を抑制する。また、換気設備の運転状態やフィルタユニット出入口の放射性物質濃度等の監視状態が現場制御盤及び免震重要棟に表示され、異常時は警報を発する。積雪・暴風・地震に対する短期許容応力度設計を実施し、建築基準法で定められる地震力の1.5倍の地震荷重を考慮している。

最初の工程として、燃料取り出し用カバーを構成するクレーン支持用架構の基礎を支持する地盤を強固にするため、地盤改良工事を実施する。併せて4号機原子炉建屋への雨水浸入対策を進める。

4号機の原子炉建屋のカバー設置は、昨年12月に発表された「福島第一原子力発電所1〜4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」に基づいて行っているもので、1号機に次いで2番目。


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