総合エネ調 エネミックス選択 月内にも最終報告書

経済産業省の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会(委員長=三村明夫・新日本製鉄会長)は21日の会合で、エネルギーミックス選択肢の原案を提示し議論した。このほど「たたき台」として示された原案では、委員からの意見照会を踏まえ、これまで統合等を行ってきた選択肢候補について、2030年を想定した電源構成で、数値を示さず「需要家の市場での選択にゆだねる」とする「選択肢A」、原子力発電比率を0%とする「選択肢B」、同約15%とする「選択肢新C」、同約20〜25%とする「選択肢新D」、同約35%とする「選択肢E」に整理した。委員会は今後、28日までに2回会合を開き、エネルギー・環境会議に報告する最終案がまとまる運びだ。

これまでの議論で、エネルギーミックスは、「需要家が判断すべきものであり、政府が特定の定量的な姿を提示すべきではない」といった意見もあり、具体的数値を示さぬ「選択肢A」が設けられているが、残る4つの選択肢は、「定量的イメージ」として、現行のエネルギー基本計画の時期と合わせ30年時点を想定した電源ごとの発電比率を示している。原案によると、前回会合までの「参考ケース」を考慮し新設した「選択肢新C」では、「原子力発電への依存度を30年に向け低減する」を基本とするが、30年以降の原子力の位置付けについては、(1)50年頃にゼロとすべき(2)オプションを狭めることなく安全強化・技術革新などに最大限取り組んだ上で検討すべき――の2つの考えを併記した。

21日の会合では、資源エネルギー庁から、電力システム改革に関する検討状況、および経済影響に係る感度分析結果が紹介されたが、委員からは「電力価格の上昇は産業界にとって死活問題」、「原発事故を二度と起こさぬという反省をベースにすべき」、「国民の目線に立った議論がなされていない」といった意見があった。また、「選択肢新C」について、原子力安全規制改革で示される「40年運転制限制」や、新知見を反映する「バックフィット制度」にも鑑み、原子力発電比率を「どのように減らすか」という視点に関する指摘もあったが、当初のエネルギーミックス議論の基本的方向性に反し、現在よりも増加する「選択肢E」については、選択肢からは除外することも検討されている。


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