核不拡散研究会 「一国主義」脱却を主張 核燃料サイクルで提言 長期的視点で判断を

細野豪志・原発事故担当相の核燃料サイクル政策の見直しには、核不拡散などのグローバルな視点からの検討が必要との問題意識を受け、同相の私的検討会の「核不拡散研究会」(代表=遠藤哲也・元国際原子力機関(IAEA)理事会議長)が25日、「核燃料サイクルの検証と改革──原発事故の教訓とグローバルな視点の導入」と題する中間報告を発表した。

遠藤氏のほかに、谷口富裕・元IAEA次長、山地憲治・地球環境産業技術研究機構理事・研究所長、秋山信将・一橋大学准教授が参加した。

中間報告では、核燃料サイクルを検証する際、視野の狭い、短期的な議論に終始してはならないと指摘し、また、「一国主義」的な見方を踏襲することは許されない、と強調した上で、「政策を総合的に捉え、世代を超えた長期的な視点を持つとともに、グローバルな視点から大局的な検討・判断を下すことが必要だ」としている。

国際社会の中で、国際的な核燃料供給体制の整備について一定の方向性が示されるようになった一方、バックエンドについては目立った議論の進展はないが、「今後その重要性は増すことが予想される」と指摘している。これらの根本的な課題に対して、従来からの「核不拡散」と「奪い得ない権利」の二項対立的な論争を繰り返してはならない、と主張している。

新たな安全規制組織の発足に当っては、3S(安全、不拡散・保障措置、セキュリティ)の取組みを総合的、戦略的、集中的に進める体制へと刷新すべきだ、としている。

核燃料サイクル全体の「国際化」の必要性についても強調し、六ヶ所再処理工場を利用した他国の使用済み燃料の処理・返還の可能性をも検討すべきと、踏み込んだ考え方を示し、その際、グローバルな枠組とするか、地域的な枠組とするか、パートナー国をどのように得て、いかに協力していくかについても検討を進めるべきだとしている。


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