マクファーレン氏を指名 米規制委員長の後任人事

米国のB.オバマ大統領は24日、21日に辞意を表明した米原子力規制委員会(NRC)のG.ヤツコ委員長の後任委員長として、ジョージ・メーソン大(GMU)環境科学政策学部のA.マクファーレン准教授(=写真)を指名した。就任に際しては議会上院の承認を得る必要がある。

マクファーレン准教授は1992年にマサチューセッツ工科大(MIT)で地質学の博士号を取得。原子力関連の環境政策と国際セキュリティ、特に核燃料サイクルのバックエンドが主な研究分野で、2006年にはMITから「地中の不確実性=ユッカマウンテンと米国の高レベル放射性廃棄物」と題する著書を出版した。

同氏はその中で、ユッカマウンテンにおける廃棄物処分が抱える技術的な未解決課題を検証。地震動や火山活動等による脆弱性を指摘したほか、酸素と水分に晒された廃棄物が周辺環境に悪影響を及ぼすとして同計画に批判的な見解を表明したことが伝えられている。

同氏はまた、ユッカマウンテンに代わる高レベル廃棄物管理方法を探るために米政府が2010年3月から今年1月まで設置した有識者(ブルーリボン)委員会にも委員として参加。このような背景から、同処分場計画に強く反対していたネバダ州選出のH.リード上院院内総務はマクファーレン氏の指名を歓迎するとのコメントを発表している。

一方、米原子力エネルギー協会(NEI)は同氏の指名について、「委員5名がフルメンバーで原子力安全という使命遂行のために機能する重要性に鑑み、産業界としては彼女の承認手続きを速やかに進めるようオバマ政権に促したい」とコメントした。

同様の観点からNEIは、5名のうちK.スビニッキ委員の任期が6月末で切れる点に言及。マクファーレン氏の承認と合わせて、同委員の2期目の就任についても上院が出来るだけ迅速に承認するよう要請している。


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