SMR開発で企業連合 WH社と米国の原子力事業者

米国のウェスチングハウス(WH)社は17日、ミズーリ電力連合とともに進めているウェスチングハウス小型モジュール型炉(SMR)開発計画に米国の原子力事業者を加え、「ネクスタート(NexStart)SMR連合」を形成したと発表した。

財政基盤の強化と経営・運転経験の統合を図るため、国内の原子力発電所所有者や運転業者が団結してWH社のSMR開発に取り組み、米エネルギー省(DOE)が1月に発表した4億5000万ドルのSMR開発財政支援イニシアチブに今月中にも同設計を申請する予定。米原子力規制委員会(NRC)から関連の許可を得るとともに、2022年までに営業運転にこぎ着けるという計画だ。民間企業から少なくとも50%の出資が前提となる同イニシアチブの総投資額は9億ドルに達する見通しで、DOEは夏の終わり頃までに対象となる2設計の選定結果を公表すると見られている。

アメレン・ミズーリ社が率いるミズーリ電力連合の6社に加え、ネクスタートに参加する了解覚書(MOU)に署名したのは米国の大手原子力発電業者であるエクセロン社、ドミニオン社、ファースト・エナジー社のほか、タンパ電力、アーカンソー電力協同組合と言った公営電力サービス会社、およびサバンナリバー国立研究所で、合計12社にのぼる。

WH社のSMR設計は出力22.5万kWの一体型PWRで、AP600やAP1000で認可済みのモジュール技術や受動的安全性を備えたものになる。政府のSMR開発支援イニシアチブの下、ネクスタートはNRCから設計認証(DC)、および建設・運転一括認可(COL)を取得した後、アメレン・ミズーリ社がミズーリ州で操業するキャラウェイ原子力発電所サイト内での初号機建設を目指している。

なお、同イニシアチブにはバブコック&ウィルコックス(B&W)社もすでに今年2月に申請する方針を発表。発電容量18万kW程度で受動的安全性を持つ地下格納型の「mPower」で政府支援を獲得する考えだ。また、出力4.5万kWのSMRを開発中のニュースケール社は21日にDOEに申請書を提出した。同社はサウスカロライナ州サバンナリバーに同SMRの初号機を建設するため、同州を本拠地とするサウスカロライナ・ガス&エレクトリック社、および同州で原子力研究開発実証に関するイニシアチブを推進するニューハブ社と協力体制を構築している。


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