再建への難しさを共有 全原商 被災地域が取組み発表

全国の原子力発電所立地地域にある商工団体で構成する「全国原子力立地市町村商工団体協議会」(全原商、会長=西川正男・柏崎商工会議所会頭)は5月29日、福島県郡山市で総会および地域振興懇談会を開催した。地元からの要請を受け初めて福島県で開催された懇談会には、商工関係者、国、電気事業者など約110名が参加し、原子力事故で被災した地元企業の再建事例を聞くとともに意見交換を行った。

西川会長は冒頭挨拶で、原子力発電所の再稼働問題に触れ、「産業の観点から、電力供給に不安を抱えることは良いもの作りにとって辛いこと。電力の安定供給が望まれる」とするとともに、長年国の原子力政策に協力し共生してきた立地地域が今すぐ脱原発の方向に向かうことはできないとの考えを述べた。

来賓として出席した中村利雄日本商工会議所専務理事は挨拶の中で、全国の商工会議所・商工会の意見をまとめ、当面の電力安定供給の確保とコスト上昇の抑制、原子力発電所の安全性強化と再稼動は不可欠であるとする意見書を政府に提出したことを紹介し、地元の産業活動が日本経済を支えていると立地地域に敬意を表した。

この後、福島第一発電所事故で被災した地元関係者から、苦労しながら再建を目指す取り組みについて報告が行われた。

富岡町商工会の鈴木信一副会長は、富岡町内企業の再開事業所の数は約39%との状況を示しつつ、復興に向けた今後の課題としてライフラインの整備や新たな産業・雇用の確保を挙げたが、仮の町構想や町村合併の動きもある中で同町商工会としての取り組みは容易でないとの考えを示した。

双葉町商工会から参加した印刷業を営む木藤喜幸氏は、融資・補助金制度の活用で事業再開し、避難先で新社屋建設を計画中であることを紹介。同じく双葉町の電気工事業者の横山久勝氏は避難生活が続く中、事務所や資材確保の困難さや従来の取引先の多くが避難している状況で新たに業務を受注することの難しさを訴えた。

一方、避難先の郡山市で印刷業を再開した大熊町の鈴木充男氏は、再開までの道のりを示し、被災したからこそ気が付いたことにも目を向けて生活を豊かにしていく発想が大事ではないかと参加者に訴えた。


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