政策の柔軟性求める 原子力委が「選択肢」正式決定 政府のエネ会議に提出

原子力委員会は21日、核燃料サイクル政策の選択肢を3通りに集約して提示した「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」(座長=鈴木達治郎・委員長代理)の報告内容をほぼ盛込んだ「核燃料サイクル政策の選択肢について」を委員会決定した。政府のエネルギー・環境会議に提出する。原子力委の決定では、「どのような選択肢を選択するにせよ、将来の政策変更に十分に対応できる柔軟性が重要」と指摘する一方、「国の燃料サイクル政策に長年にわたり協力し、関連施設を受け入れてきた立地自治体との信頼関係を崩すことのないよう」に配慮することなどを求めている。

原子力委決定として、選択肢(1)〈新増設は行わず、できるだけ早く原子力発電比率をゼロにする〉では、使用済み燃料の「全量直接処分」が適切。選択肢(2)〈原子力依存度低減を基本とし、2030年時点で原子力発電比率約15%程度まで下げる〉場合は「再処理・直接処分併存」が適切。選択肢(3)〈原子力発電比率は低減させていくものの、その後は新増設を行い、一定規模20〜25%を維持する〉では「全量再処理」が有力──とした。

それに伴うFBR開発では、(1)「もんじゅ」は中止、基盤研究のみ推進。(2)では「もんじゅ」の性能試験と定格出力運転を実施(5年程度)、実用化を判断する研究開発も実施。(3)では、実用化を前提に研究開発を推進し、「もんじゅ」は10年程度の運転で所期の目的を目指すべきとした。

同技術小委が指摘している重要課題について、国が解決に向けて、取り組むべきことも提言した。

▽発電所敷地内外に係らず乾式貯蔵を含めた使用済み燃料の貯蔵容量を増強する取組み、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定作業は、いずれの選択肢を選ぶ場合でも、現在に増して、国のリーダーシップを発揮して、強力に推進していく必要あり。

▽全量直接処分を選択しない限り、日本原燃の六ヶ所再処理事業は本格操業に向けて計画通り進めることが適切。事業運営のあり方について総合的な評価を数年以内に実施すべき。

▽併存政策が選択されれば、FBRの研究開発は継続することになる。実用化までの期間が長期にわたることを考えれば、国の研究機関が長期的に人材を確保し技術基盤を継承・強化しつつ、革新的で競争力のある新型炉を生み出せる研究開発体制を整えることが重要。

▽今後我が国の原子力依存度が低減し、原子力関係予算の縮小や優先順位も変化することを考えれば、FBRサイクルの研究開発を国内で完結する考え方にとらわれることなく、今まで以上に国際協力を活用すべき。

▽今後は、国が政策決定を行い、その実施について、国と民間事業者の責任の分担をより明確化することが極めて重要だ。その上で、国民からの信頼確保のために、国民との対話、透明性の確保などに全力で取り組むべき。

鈴木委員長代理は、「技術小委の結論をほぼ尊重していただき、ありがたい。最初の長計以来、柔軟な燃料サイクルへの転換を初めて盛込んだ歴史的な決定だ」と評価した。


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