土木建築業者を選定へ 英国のヒンクリーポイント計画

英国で稼働中原発の約9割を所有するEDFエナジー社は18日、ヒンクリーポイントC発電所として進めている原子炉建設計画について、仏ブイグTP社と英国のレイン・オルーク・グループによる合弁事業体(JV)を土木建築作業発注先の有力候補に選定したと発表した。最終的な投資決定は今年末にも下す予定で、それまで同JVは「早期請負者関与(ECI)」の予備合意業者として工事計画や詳細設計、建設工法の開発活動などで協力することになる。

英国では現時点で、3つの事業者が具体的な新設計画案を提示しているが、ドイツ企業の合弁会社であるホライズン社がウィルファとオールドベリーの2サイトで進めていた建設計画は、ドイツ政府の脱原子力政策の余波を受けてホライズン社が売却されることになり、宙に浮いた状態。 また、セラフィールドで仏英西の合弁企業「ニュージェン社」が進めている建設計画からは、地元英国の1社が撤退を表明した。

このため、EDFエナジー社が英国のセントリカ社と組んで進めているヒンクリーポイントC計画は新設計画の中では最も進捗率が高く、計画実現に向けた推進力を変わらず堅持。160万kW級の欧州加圧水型炉(EPR)をサマーセット州のサイトに2基建設予定で、EDF社はすでに昨年7月、「サイト許可」を原子力規制機関(ONR)に、また「環境認可」を環境庁に提出、昨年10月末には原子炉を建設・操業するための「開発同意命令」を基盤施設計画委員会(IPC)に申請している。

契約発注関係ではEDF社は昨年中に仏アレバ社との圧力容器鍛造契約を済ませた。サイトの掘削や道路などのインフラ整備については今年2月、英国の土木建築企業と1億ポンド以上の準備作業契約を交わしたが、今回、入札を実施しているのはメインの土木建築工事で、契約総額は20億ポンド相当。関係するのは原子炉蒸気供給系のほかに、タービン系などのBOP部分、および廃棄物処分や運転サービス・センターを含むすべての補助施設となっている。

早期請負者となったJVのうち、ブイグTPは仏国大手のゼネコンで、海外土木工事における完成度の高さで定評があるほか、仏国フラマンビルで建設中のEPRで土木作業を請け負った。また、レイン・オルーク・グループは英国最大の個人所有の建設会社で、サイズウェルB原発の土木工事のほか、国外でも多くの事業を請け負っている。


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