復興拠点にいわき市周辺望む声 福島県大熊町

東京電力・福島第一原子力発電所事故で全域避難している福島県大熊町(渡辺利綱町長)は、広報「おおくま」7月1日号で、5月から6月にかけて行った町民アンケート調査の中間報告を掲載した。

中学生以上の全町民を対象に、郵送で約1万票を配布、有効回答は約6500票(回答率64.6%)。

町民意識・意向について聞いたところ、放射線量だけを考えた場合、「町に帰ってもよいと考えられる放射線量の基準」は、1ミリシーベルト(Sv)未満が40.9%、「国等が定める目標値にかかわらず」14.1%、20ミリSv5.2%、「分からない」が33.7%と、追加被ばく量ができるだけ低いことを望む住民が多い一方、3人に1人が悩んでいることを示している。

今後、町が設ける復興拠点となる地域はどこがよいかを尋ねたところ、「いわき市およびその周辺」が71.5%と最も高く、会津地方6.7%、中通り地方6.1%、相馬地方2.8%、その他7.5%と続き、圧倒的にいわき市周辺が多かった。その他の中では、やはり大熊町周辺が52件と最も多かった。

帰還に向けた意識では、「大熊町には戻らない」が40.4%、「町指定地に居住し帰れるまで待つ」21.9%、「居住地を自ら選択し帰れるまで待つ」が18.0%、「分からない」が19.8%となっている。

このうち、「帰れるまで待つ」と回答した住民に、「何年くらいなら待てるか」と聞いたところ、5年以内が37.5%、6〜10年以内が17.3%、11〜15年が1.9%、「いつまでも待つ」が17.6%、無回答も19.0%と多かった。

同広報では、昨年3月11日から今年3月末までに同町に義捐金を寄せた企業、個人などの名簿も掲載している。


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