放射線防護上の課題を提言 日本保健物理学会

日本保健物理学会は10日の原子力委員会で、福島第一原子力発電所事故に対する同学会の活動について報告した。

同学会サイトでは「専門家が答える暮らしの放射線Q&Aサイト」を展開しており、約1600問を掲載している。また「福島事故対応シンポジウム」を4回開催しており、原子力防災対策とその基準などの講演を行った。

同学会は、こうした福島事故の関連活動で挙げられた課題を被ばくの状況に応じて「福島第一原子力発電所事故に関する放射線防護上の課題――日本保健物理学会の対応と提言」として4月に取りまとめている。(1)すべての状況に係る共通課題として、1)放射線リスクに対する公衆の不安・疑問への対処方法2)空間線量率、表面汚染密度、食品中の放射性物質濃度等の測定方法を、(2)緊急時被ばく状況に係る課題として3)屋内退避・避難基準4)安定ヨウ素剤投与5)食品・飲料水摂取制限の考え方6)除染のためのスクリーニング基準7)緊急作業従事者の線量限度8)放射性ヨウ素による甲状腺等価線量の事後調査を、(3)現存被ばく状況(すでに広域に放射性物質が存在している状況)に係る課題9)校庭、飼料、作付土壌、肥料、水浴場等の利用判断基準10)警戒区域内への一時立入りの方法11)放射性セシウムを含むがれき、汚泥および除染土壌等の廃棄物管理――を挙げている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで