照射全方向から可能 北大他 X線治療システム

北海道大学、ベンチャー企業のアキュセラ、国立がん研究センター東病院、京都大学、日立製作所のグループは6月26日、従来品より小型かつ高精度なX線治療システムの試作システム(=写真左)が完成したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2010年度から取り組んでいる「がん超早期診断・治療機器の総合研究開発」プロジェクトの一環。

同システムでは、小型加速器でX線発生加速器の効率を上げ、マイクロ波を発生させる真空管であるマグネトロンを高出力化する。従来のガントリ型X線治療装置用加速器の約2倍の強度を持つX線と細いビームを実現し、従来の約半分となる全長約60cmの小型化が可能となった。X線が高強度化することでX線ビームの照射野を直径3mm程度(従来の約60%)まで絞り込めるようになり、さらに装置が小型化することで従来不可能だった立体角360度に近い方向からのX線の照射も可能となった。

また、北海道大学が開発した高精度な動体追跡装置により、身体の中で複雑に動く臓器の微小ながんもリアルタイムで高精度な追跡ができ、小型加速システムを組み合わせることで、X線量を極度に集中化させ、全方向からの照射(=図右)で体内深くに存在するがんを、他の正常な臓器に影響を及ぼさずに治療が可能となる。

コスト面でも、従来のガントリ型X線治療装置と比べて約2分の1の価格が見込まれ、多くの医療機関での活用が期待される。

今後、2013年度までにX線治療システムの統合を終了し、動作確認評価を実施した後、薬事申請に向けた準備を進める。


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