ロシアから財政融資取得 インド、クダンクラム3、4計画で

インド原子力省は17日、クダンクラム原子力発電所3、4号機(各100万kW、ロシア型PWR)増設計画でロシアから低金利の財政融資を得る議定書に調印したと発表した。総工費3200億ルピー(約4540億円)のうち、1700億ルピー(約2412億円)までがロシアからの融資で賄われる計算。ロシアとの協力で同サイトで間もなく運開予定の1号機および7か月後に完成予定の2号機と合わせて、総計400万kWのロシア型PWR(VVER)がインドの発電設備に加わることになる。

議定書によると、ロシア政府の輸出信用は3、4号機建設で同国が提供する作業や資機材およびサービスなどの経費の85%に相当する34億ドルのほか、燃料集合体と制御棒用経費の85%となる8億ドルなど。年間4%の利息を伴うものだが、資機材等の方は14年ローンで原子炉が発電を始めた1年後から返済開始。一方の燃料費は4年ローンで、受領して2年後から返済することになっている。

両国の原子力平和利用分野での協力関係は20年以上前にさかのぼり、包括的な政府間協定(IGA)は1988年11月に締結された。これを補足する協定も1998年6月に調印されており、タミル・ナドゥ州のクダンクラム1、2号機計画はこれらの枠組に基づいて進められている。

2008年12月には3〜6号機までの増設計画で両国は新たなIGAを締結。今回の輸出信用による建設資金調達のための議定書調印は同IGAに謳われていたもので、昨年から今年にかけて両国の省庁チームが協議を重ねた結果、実際の調印にこぎ着けた。

なお、クダンクラム原発では、すでに昨年1月の段階で1号機の格納容器の健全性試験を終え、同年第1四半期中にも臨界予定であった。しかし、福島事故後に地元住民による反原発運動を受けて、州政府は同年9月に建設作業を一時中止。今年3月になって建設再開を承認したものの、住民の抗議運動対策に苦慮している。


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