ATMEA1を入札候補に アルゼンチン

三菱重工業との合弁事業体「アトメア社」で第3世代プラスの原子炉設計を開発している仏アレバ社は12日、アルゼンチンの国営原子力発電会社(NA−SA)が同国4基目の原子炉設計候補として「ATMEA1」を入札のための予備的な有資格設計に認定したと発表した。同設計がアルゼンチンの最も厳しい安全要件のみならずNA−SAの必要性をも満たすことが認められたことから、今後、NA―SAから提案依頼書が発行されるとしている。

アレバ社によると、ATMEA1は中規模の送電系統などすべてのタイプの送電網にも対応できるほか、全世界の安全規制に適用可能となることを目指した110万kW級の中型PWR。24か月間の長期サイクル運転、全炉心へのMOX燃料装荷などを可能にする技術が盛り込まれる。

今年2月には、仏国の安全規制当局が仏国内での基本的な設置申請と同一の条件で安全設計審査を実施した結果、同国の安全および技術的要件を満たしている点と地震や洪水、大型航空機の衝突等からも重要機器が保護されることを保証。また、ヨルダンの原子力導入計画でも、今年4月にロシア型PWRとともに最終候補に残っている。

アルゼンチンは2006年、同国で4基目の原子炉となるアトーチャ3号機建設計画を含む原子力発電の再活性化戦略を公表。過去9年間に急激な経済成長を遂げている同国では、原子力は単なる電力供給のみならず、人的資源や雇用の創出にも重要な貢献をするとの位置付けだ。3基目のアトーチャ2号機(加圧重水炉、74.5万kW)は現在試運転中で、2013年半ばに営業運転を開始する予定である。


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