新古里2が営業運転開始 韓国で福島事故後初めて

韓国の知識経済部は20日、今年1月から試運転中だった新古里原子力発電所2号機(PWR、100万kW)が同国で22基目の原子力発電所として営業運転を開始したと発表した。福島事故後に同国で運開する原子炉としては初めて。

新古里2号機の運開に関しては、18日に所有者の韓国水力原子力(KHNP)が燃料の初装荷と起動テスト、福島事故のフォローアップ措置、定期検査および起動経験の反映の5段階で行った使用前検査について総括会議を実施(=写真)。同炉が設計仕様書と最終的な安全性分析報告書の技術基準に適合しているほか、試運転段階における原子炉の通常運転と過渡変化時の総合的な性能が原子力法の許可基準を満たしていることを確認したとしている。

同炉は韓国標準型炉(KSNP)の安全性を強化した「最適化炉(OPR)」で、1997年に米国のコンバッション・エンジニアリング(CE)社が米国の設計認証を取得した「システム80+」が設計のベース。OPRをさらに改良・大型化したAPR1400はアラブ首長国連邦(UAE)に輸出される予定だ。

主契約者の斗山重工業は2005年1月に同型のPWRとなる新古里1、2号機の建設作業を開始。原子炉設備サプライヤーとしては、韓国電力技術社とウェスチングハウス社も参画しており、これら2基の総事業費は4兆7815億ウォンにのぼる。1号機は昨年2月に一足先に営業運転を開始していた。

知識経済部では、新古里2号機の営業運転開始により年間79億kWhを追加発電出来るため、電力不足解消への貢献のほかに原油高の時代に外貨節約にも大きな役割を果たすとの期待を表明。この発電量は釜山市における年間電力需要の約4割に相当すると強調している。


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