委員長に田中俊一氏 規制委5名を国会提示

政府は7月26日、新たに原子力安全規制を担う組織として設置する「原子力規制委員会」の委員長に、日本原子力研究所(現原子力機構)副理事長、原子力委員会委員長代理を歴任した田中俊一氏(高度情報科学技術研究機構顧問)を、その他4名の委員に、更田豊志氏(原子力機構)、中村佳代子氏(日本アイソトープ協会)、大島賢三氏(広島大学)、島ア邦彦氏(地震予知連絡会会長)を当てる人事案を国会に提示した。

同日の記者会見で細野豪志原発担当相は、委員長への就任を見込む田中氏は、原子力安全規制に携わる上で不可欠な専門的知識・経験を豊富に有しているだけでなく、福島原子力事故発生以降、いち早く現地での除染活動に「自ら泥まみれになって活動してきた」ことなども考え合わせ、「先頭に立つことを恐れぬリーダー」として、本ポストの最適任者にあがったとした。委員長・委員の任期は5年だが、一斉に任期満了とならないよう、更田氏と中村氏は3年、大島氏と島ア氏は2年と初任のみ例外規定。

衆参両院の議員運営委員会は1日、それぞれ田中委員長候補の所信を聴取、質疑を行った。

田中俊一氏(たなか・しゅんいち)67年東北大工学部卒、日本原子力研究所入所、04年副理事長。07年原子力委員長代理、10年高度情報科学技術研究機構会長。原子力損害賠償紛争審査会委員、福島県除染アドバイザー。福島市出身、67歳。

更田豊志氏(ふけた・とよし)87年東京工大院理工学研究科修了、日本原子力研究所入所。炉安全分野で研究、現在、原子力機構原子力基礎工学研究部門副部門長で、原子力安全・保安院の高経年化技術評価に関する審議にも関っている。55歳。

中村佳代子氏(なかむら・かよこ)78年東京工大院理学系研究科修了。東京都臨床医学総合研究所在職後、慶應大医学部専任講師などを歴任。現在、日本アイソトープ協会プロジェクトチーム主査で、放射線審議会委員、62歳。

大島賢三氏(おおしま・けんぞう)67年東京大学法学部中退、外務省入省、97年経済協力局長、99年総理府国際平和協力本部事務局長、01年国連事務次長、04年国際協力機構副理事長などを歴任。現在広島大学特任教授で、11年12月から国会原発事故調査委員、69歳。

島ア邦彦氏(しまざき・くにひこ)70年東大院理学系研究科修了、89年地震研究所教授。09年より地震予知連絡会長、10年より日本活断層学会長。日本地震学会長などを歴任。東大名誉教授。66歳。


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