改修後15年ぶり再稼働へ カナダのブルースA1号機

カナダ原子力安全委員会(CNSC)は7月20日、改修工事等で約15年間停止状態にあったブルースA原子力発電所1号機(CANDU炉、80.5万kW)の再稼働を許可した。CNSCの現場スタッフと技術専門家のチームが数々の検査や診査を実施した結果、同炉の状態が再稼働の必須条件をすべて満たすとともに安全性試験を成功裏に完了したことを確認したもの。

この承認により、同炉は1997年12月以来の「原子炉停止保証状態」から復帰が認められ、原子炉の臨界防止のために取られていた複数の措置、すなわち圧力容器であるカランドリア管内の重水にガドリニウムを注入する、重水浄化系の弁をロックするなど――が解除される。また、さしあたり定格の50%まで出力を上げ、CNSCの監視の下でいくつかの安全性テストを実施した後、さらなる出力上昇の承認をCNSCから得ることになる。

同炉の運転会社であるブルース・パワー社は「これで原子炉を運転し、残りの起動試験を終えることができる」とコメント。オンタリオ州の送電網に接続する最終安全チェックの準備が整ったとしている。また、今回の改修により、同炉は運転寿命が25年伸びたと伝えられている。

ブルースA発電所のCANDU炉四基は1970年代に営業運転を開始したが、運転実績の低迷に伴う経済性の悪化から、90年代後半に運転を休止。2001年以降、圧力管や燃料チャンネル、蒸気発生器の取り替えを含め、2043年までの運転寿命延長を目指した大がかりな改修工事を開始した。3、4号機はそれぞれ04年と03年に運転を再開したが、機器の取り換えおよび改修工事は1、2号機の再起動後に実施する予定。2号機は今年3月に約20年ぶりの再起動を果たしている。


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