CB&Iがショーを買収へ 最大規模のエンジ会社に

米テキサス州を本拠地とするエンジニアリング会社のシカゴ・ブリッジ&アイアン(CB&I)社は7月30日、米国最大手のショー・グループを買収することで両者が最終的な合併契約に調印したと発表した。

ショー社はウェスチングハウス(WH)社と組んで、米国で数十年ぶりの新設計画となるボーグル3、4号機やV.C.サマー2、3号機など6基のAP1000建設計画でエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約を獲得済み。同社との合併により、CB&I社は世界でも最大規模のエンジニアリング会社に生まれ変わる。

買収総額は30億ドルで、CB&I社は1株当たり46ドル相当の現金と株式でショー社を買い取る。具体的には、ショー社の株主が同社株1株に付き現金41ドルと、5ドルのCB&I社株を受け取るが、これは7月27日付けショー社株の終値に72%のプレミアムを付けたことになる。最終的に規制当局や両社の株主から承認を得る必要があるため、取引の完了は2013年の第1四半期になる見通しだ。

合併後の新会社名は、ショー社のブランド資産価値を活かし、「CB&Iショー」となる。双方の株主すべてが利益を得られるよう、お互いの資源と能力および良慣行をフルに利用して、将来のさらなる成長の土台を築いていく。CB&I社は年間収益が46億ドル(受注残高90億ドル)でショー社の59億ドル(同182億ドル)を下回るなど、今回の買収は法外に高値な取引だが、企業としての体力増強により、CB&I社は今後、天然ガスやオイル・サンドなどを含め「エネルギー業界全域において完全に多様化した企業」を目指す考え。

一方、ショー・グループは昨年9月、手持ちのWH社株全20%を東芝に売却して17億ドルの債務を削減する方針を発表。財務基盤の整理により、原子力以外の分野でも多様化を図る方針だと言う。新規のAP1000建設計画を共同で追求するというWH社との契約も2013年で終了すると伝えられており、CB&I社との合併はこのような先行きを見越した判断と見られている。


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