ラジャスタン4で重水漏れ インド

インド原子力発電公社(NPCIL)は7月23日、重水による減速材システムのポンプ修理のため16日から19日まで停止していたラジャスタン原子力発電所4号機(加圧重水炉、10万kW)で、ポンプ1台のシール部から重水漏れが検知されたと発表した。ポンプは直ちに停止され、分離されたため、漏れは治まったとしている。

この事象により、4名の従業員が原子力規制委員会(AERB)の定める年間許容線量の10〜25%程度を被ばくしたものの、全員が通常業務に復帰。NPCILはすべての保守点検作業を終えた後、同炉を23日中に送電網に再接続するとの方針を表明している。

なお同発電所では6月23日、計画停止中だった5号機(加圧重水炉、22万kW)で、重水から派生する放射性トリチウムによる被ばくが検証レベルを超える事象が発生していた。

同レベルは規制当局の定める年間許容被ばく線量の10分の1程度となるよう保守的に規定されているため、NPCILとしては大きな問題はないとの見解。減速材システムに重水を追加供給する改修作業中だった作業員2名が年間許容線量を超えて被ばくしたと見られるが、非放射化エリアを担当していたその他の作業員の線量はそれ以下だったと説明した。また、環境への放射能放出はなかったとしている。

これに関して一部の地元メディアは、24日に「被ばく者数が当初の2名から38名に増えた」と報道。NPCILはこれまでのところ、それに対する見解を発表していない。


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