2050年までイメージ描く なみえ復興塾 町民自ら計画作り

福島県浪江町のNPO法人「新町なみえ」(神長倉豊隆理事長)は18日、同法人が立ち上げた組織「なみえ復興塾」とともに、浪江町が避難している二本松市内で「復興まちづくりシンポジウム」を開催(=写真)し、町の復興に向けた24のプロジェクトを提案した。

もともと商店街の地域活性化に取り組んでいたNPO「新町なみえ」は、昨年の東日本大震災後、ふるさと再生に向けた活動を展開するようになった。故郷から離れて暮らす浪江町民自らが町の復興を考える場を求める声が高まり、同NPO内に発足したのが「なみえ復興塾」だ。

浪江町は今年4月、復興ビジョンを策定し、具体的な復興計画作りを進めている。それに合わせて復興塾のメンバーは、今年3月から数回のワークショップを開催し、協働で議論を重ね、いわば町民視点での復興プロジェクトの案を早稲田大学都市・地域研究所の協力を得て取りまとめた。

この日のシンポジウムでは、24のプロジェクト提案について復興塾のメンバーが説明した。

示されたプロジェクトは、2013年から50年の長期間にわたるもので、1)復旧始動期2)復興基盤形成期3)定住環境整備期4)条件の整った町に本格的な帰還を進める時期――の4段階に分けて具体的なイメージが描かれている。

2013年からの復旧始動期には、復興公営住宅の建設、除染活用や復旧作業を統括する前線基地の構築といったプロジェクト。復興基盤形成期では、土地管理のためのまちづくり法人立ち上げ、物流拠点・漁業再開のための港湾復旧、市街地を守るための嵩上げ道路の整備といったプロジェクトを盛りこんだ。町民定住にむけた環境整備期では復興住宅地の拡張や再生可能エネルギー等の研究施設を本格的に立地させるなどの取り組みが提案されている。

最終段階となる2050年までのプロジェクトとしては、新しい環境エネルギー産業や、地域の自然・文化を活用したエコ・ツーリズムといった新規産業を振興することや、被災地でのオリンピック開催といった将来展望も示した。


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