住民投票の要望受け止め 静岡県知事 浜岡原発再稼動で

静岡県の川勝平太知事は8月27日の記者会見で、浜岡原子力発電所の再稼働問題について、県民投票で是非を問う住民投票条例制定の本請求が同日出される件について、「議会で条例が制定されて、住民投票がなされる方向で、議論を進めたい」と述べた。

条例制定請求には県民約6万1000人以上の署名が必要であり、今回、運動団体が集めた署名は約18万1000人、そのうち有効署名数は約16万5000人となっている。

川勝知事は、「正式署名が16万以上あるということは、重く受け止めなければいけない」と述べ、9月中旬に開かれる定例議会に、知事意見として条例案に賛成する意見を付けて提出する方向性を明らかにした。

ただ、住民投票には法的拘束力がないこと、県レベルの住民投票が沖縄県で成立した以外は例がないこと、静岡県議会では2001年9月に静岡空港建設をめぐる反対派による住民投票条例案を否決していることなどから、県議会の動向が今後を大きく左右することになる。条例が制定されれば、6か月以内に県民投票が行われる。

中部電力は今年の7月30日、昨年7月に策定した浜岡原子力発電所の津波対策として浸水防止対策や緊急時対策の強化について、防波壁や浸水防止対策のうち「建屋外壁の防水構造扉の信頼性強化」については、当初予定どおり今年12月末完成の工程で進捗している一方、同12月の工事完了を目標に進めてきた非常用電源設備対策などは、工事量が大幅に増加したことなどから、1年程度の工期延長が必要となったと発表していた。


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