各事故調報告受け取りまとめへ 基本問題委員会

経済産業省の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会(委員長=三村明夫・新日本製鉄会長)は8月23日、福島原子力発電所事故に関する政府、国会、民間による3つの調査報告について説明を受けた。同委員会では12月、エネルギー基本計画見直しに向けた論点整理で、原子力発電について、「福島のような事故を二度と繰り返してはならない」との視点を掲げている。

その中で、民間の立場から、「福島原発事故独立検証委員会」を先導した北澤宏一氏(前科学技術振興機構理事長)は、事故の遠因として、「空気を読み合う」なれ合い体質が、「原子力ムラ」構造を生み、「安全神話の自縄自縛状態」に陥った点を指摘したほか、発災当時の福島第一4号機使用済み燃料プールからの放射能大量漏えいの危険性にも言及した。

委員からは、今後の安全規制のあり方、コストと安全確保の関係などに関する発言があったほか、各調査報告の説明を受け、三村委員長は、これらを網羅的に取りまとめることの必要性を述べた。

一方、今後のエネルギー基本計画見直しの議論に向けては、昨今の領土問題を巡る中国、韓国との緊張感に対する危惧、さらには、政局の動向に関する発言が委員からあり、これに対し、牧野聖修副大臣は、「総選挙となれば政権は非常に危うい」としながらも、現政権継続の有無にかかわらず、エネルギー政策の方向性を示しておく必要を強調した。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで