「原子力利用、今後も拡大」 IAEA総会で天野氏明言

国際原子力機関(IAEA)の第56回総会が17日、ウィーンの本部で開幕した(=写真)。

天野之弥事務局長は開幕の声明で、食品や医療など多岐の分野にわたり原子力が活用されていることを紹介したほか、核開発が懸念される国に対し必要な協力を速やかに行うよう要請した。原子力発電については、アジア諸国を中心に今後20年間でますます利用が広がっていくことに触れ、福島第一原子力発電所事故での教訓を活かし原子力安全に最大限に留意が重要であると語った。また、12月にIAEAと日本政府が福島で共催する原子力安全に関する閣僚会議についても触れた。

日本からは山根隆治・外務副大臣が出席し、今後も引き続きIAEAの活動に協力を続けていくことを示す一方、日本国内のエネルギー政策については白紙から見直し、2030年代までに原子力発電の割合をゼロにしていく方針であることなどを表明した。

同日、日本政府主催で福島第一発電所事故に関するブリーフィングが行われ、経済産業省や原子力機構、東京電力などが廃炉へ向けてのロードマップや除染状況についての説明を行った。会場からは廃炉費用に関する質問が寄せられるなど、日本の事故処理対応に関心が集まった。


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