チアンジュ2でも亀裂を探知 ベルギー

ベルギー連邦原子力規制局(FANC)は13日、チアンジュ原子力発電所2号機(PWR、105.5万kW)でも、8月初めにドール3号機(PWR、105.6万kW)で探知されたのと同様の毛髪状亀裂が圧力容器で探知されたと発表した。

チアンジュ2号機にはドール3号機と同じくオランダのRDM社製圧力容器が使われていることから、両炉を運転するエレクトラベル社はチアンジュ2号機が定期検査のため8月16日に停止した後、停止期間を延長して超音波センサーによる検査を実施中。暫定報告として、ドール3号機ほど多数ではないものの、亀裂が探知されたことをFANCに連絡した。

同社によると、発電所の専門家は現時点での亀裂の原因について「40年前に圧力容器を鍛造した際、鋼材内部に生じた水素が原因(DDH)」との仮説を立てている。検査結果をすべてまとめた報告書は1週間後に改めてFANCに提出するほか、同炉の再稼働を正当化するための説明資料についても報告予定。これらの分析・評価を通じて、FANCが同炉の今後の処遇について判断を下すことになる。

一方、技術的な分析検査が追加で行われているドール3号機に関して、FANCは同日、独立の立場の国際専門家グループとして独、仏、英、米、フィンランドおよびブルガリアから6名の専門家を招いたと発表。議長としてブリュッセル自由大学のP−E.ラボー教授を指名したほか、国際原子力機関(IAEA)および経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)からも専門家を招く予定だとしている。

FANCはまた、(1)非破壊検査技術(2)構造力学(3)亀裂の冶金学的な発端――のそれぞれについて分野別に調査する3つの国際作業グループを設置。各国の原子力規制当局の専門家で構成されるこれら3グループ、および検査会社であるAIBバンコット社、エレクトラベル社からの分析情報はFANCの技術支援組織である「ベルV」が評価し、すべての作業を統合して予備評価報告書を作成する。

同報告書はFANCの科学審議会と国際専門家グループが審議することになっており、その結果次第でFANCはドール3号機を再稼働させるべきか否かを政府に勧告する段取りだ。


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