シノップ原発建設計画 「年内にメーカー選定へ」 トルコのエネ相が明言

トルコの半国営アナトリア通信は20日、同国政府は黒海沿岸のシノップで進めている国内2番目の原子力発電所建設計画について、年末までにメーカーを選定する予定であると報道した。

同国のT.ユルドゥズ・エネルギー大臣が記者会見で述べたもので、現時点で中国、韓国、日本、およびカナダの4か国のメーカーが同計画への入札を準備。「9月末までにこのうち1社をふるい落とし、残り3社の中から年末までに最終決定する」としている。

同国では2023年までに国内3か箇所で原発を完成させることを目標としており、最初の原子力発電所が立地予定の地中海沿岸のアックユでは来年から120万kWの原子炉4基の建設を開始する計画。ロシアが建設工事を受注した。

同様に原子炉4基の建設が計画されているシノップでは、日本の東芝が2010年に原子炉建設を含めた広範囲な協力を提案していたが、福島事故により交渉は中断。アナトリア通信によると日本と同国は昨年7月に交渉を再開していた。一方、一旦交渉が打ち切られた韓国が今年になって交渉再開を同国に要請したほか、中国も同国との原子力技術協力の拡大協定に調印するなど、同計画を巡る各国の攻勢は激しさを増している。

アナトリア通信はまた、トルコ政府が今年4月にカナダのCANDUエナジー社ともシノップ計画に関する交渉開始で合意し、同社がシノップのCANDU炉建設で200億ドルかかるとの見通しを示したことを伝えている。日本との交渉についても、5月にN.エルギュン科学産業技術大臣が訪日した際、東芝の佐々木則夫社長と会談しており、同社からシノップ計画での原子炉建設を含めた投資で協力要請があったとしている。


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