2号機の再稼働計画提出 米サザン社 サンオノフレ原発で

蒸気発生器(SG)の細管同士の接触による破損で停止しているカリフォルニア州のサンオノフレ原子力発電所2、3号機(各PWR、112.7万kW)について、運転会社であるサザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)社は4日、細管破損の原因を「流力弾性震動」と断定するなど、米原子力規制委員会(NRC)が3月に発行した「確認措置レター(CAL)」に鋭意取り組んでいることを伝える書簡、および2号機の再稼働に関する行動計画書をNRCに提出した。

CALにはNRCとSCE社が合意した今後の対策内容が記載されており、SCE社がこれらの対策を完了したことをNRCが数か月間の分析調査で確認すれば、2号機再稼働に向けた条件の1つがクリアされることになる。一方、3号機に関しては同炉の状態に則した解決策をSCE社が調査中であるため、停止したまま留め置かれる。

同発電所では今年1月末、3号機のSG細管から放射能漏れの可能性が検知されたことから、予防措置として同炉を停止。結果的に一部の放射能が環境に放出されていたが、その量は連邦の制限値をはるかに下回っていた。この時、同じサイトの2号機は燃料交換や設備改修のため停止中だったが、その後の点検で2009年から10年にかけて三菱重工業が両炉に納入した新しいSGの同じ部分で予想外の破損が発見されたとしている。

NRCは3月27日、2、3号機を再稼働させる前にSCE社が完了しておくべき対策として、同社と合意した事項を次のようにCALに記載した。すなわち、(1)3号機SGの細管破損の原因を突き止め、2号機のSG細管で起こり得る健全性喪失を防ぐための行動を実行に移す。また、2号機の点検手順および/または運転サイクル半ばでの点検停止を含めた運転制限手順――を策定する(2)2号機がSCE社の定めた「第2技術モード」に入る前に、細管の評価結果と点検手順および/または運転制限手順をNRCに提出し、同炉の安全運転を保証し得るという結論の根拠を文書で示す――である。

〈3号機事象の原因特定〉

今回、NRCへの返報の中でSCE社は、3号機の事象の原因を「流力弾性震動(FEI)」と断定。高速の蒸気と低い含水率、および細管と振れ止め金具(AVB)の接着が不十分だったことが組み合わさって生じたと説明した。

このため、2号機の運転は蒸気速度の低減等により細管が震動しないよう出力を70%に制限する。連続運転も5か月間に限定し、停止させる度に細管の摩耗状況を検査することになる。SCE社は摩耗の深さが細管壁の35%以上に達した細管6本をすでに施栓したほか、予防的措置として500本以上の細管を施栓。それでもこれらは細管全体の2.6%であり、運転に支障のないことを強調している。

〈2号機の再稼働計画〉

再稼働計画としてSCE社は、これらの修理に加えてさらなるモニタリングや探知活動などの是正措置を取ると明言した。

具体的には、(1)微細な漏れも迅速に検知できる早期警報モニターの設置(2)高感度の震動モニターの採用(3)微細な漏れに対応可能とするための運転員訓練――などを列挙。これらについては独立の立場のSG専門家3名が分析を行い、再起動と運転計画の安全性を保証したとしている。


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