中国にデジタルI&C供給へ 英・ロールス社

民生用原子力部門に本格的に参入した英国のロールス・ロイス社は18日、中国の広東核電集団有限公司(CGNPC)が操業する嶺澳原子力発電所の近代化作業のために、同社が開発した「スピンライン」デジタル安全性計装制御(I&C)系技術の供給契約を獲得したと発表した。

具体的には、同発電所1、2号機のアナログ式I&Cを、U期工事にあたる3、4号機(各PWR、108万kW)に設置済みの安全性デジタルI&C系と同じものと取り替える計画。3、4号機はCGNPCが仏国の技術を元に開発したCPR1000設計で、ロールス・ロイス社では今後、22基まで建設が計画されているCPRすべてに対し、世界でも最新式という同社の「スピンライン」技術を活用した中性子計装システムを提供するとしている。

英国の高級車メーカーとして知られるロールス・ロイス社は2008年7月、世界の民生用原子炉市場は今後15年のうちに年間500億ポンドの規模に成長すると見込み、これに本格的に参入するための専門事業ユニットの設置を決定。中国とは1990年代から民生用原子力開発部門で協力している。英国政府も同社を国内原子力供給チェーンの再開発・強化を図る「先進的原子力機器製造研究センター(NAMRC)」の中核に据え、同社が技術力や商慣行、市場アクセスなどの部分で主導的役割を果たすことを期待している。


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