4サイトで30km超 規制委 拡散シミュレーション

原子力規制委員会は10月29日までに、福島第一事故と同等のシビアアクシデントを想定した国内16原子力発電所ごとの放射性物質の拡散シミュレーション試算結果を取りまとめ公表した。新たな原子力災害対策指針策定を見据え、今後、関係各自治体による地域防災計画策定に資するもの。

拡散シミュレーションは、福島第一発電所1〜3号機の3基分の総放出量が一度に放出され、最も量が多かった2号機の放出継続時間(10時間)を仮定した上で、各サイトにおける年間の気象データにより、放射性物質が拡散する方位、距離を計算し、そのうち、拡散距離が最も遠隔となる方位で、実効線量が7日間で100mSvに達する距離(基準に達する確率にちなみ「97%値」)を求めた。放出量は、保守的にそのサイト内の全基破損を仮定し、各発電所規模に応じた補正を施しており、被ばく推定値は、外部、内部両方の被ばくを考慮している。

試算の結果、陸側最大方位で、「97%値」が原災対策指針案に示す「緊急時防護措置を準備する区域」(UPZ)目安の30kmを越えるサイトが、東京電力・福島第二(南、32.5km)、同柏崎刈羽(東、40.2km)、中部電力・浜岡(東、30.9km)、関西電力・大飯(南、32.2km)の4発電所あった。

今回シミュレーション結果に関して、放出シナリオ、気象条件などにより解析結果が大きく異なり、精度や信頼性にも限界があることから、あくまで目安として参考にすべきものと、原子力規制庁は説明している。


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