ポイントルプローが再併入 カナダ

カナダのニューブランズウィック(NB)州でポイントルプロー原子力発電所(=写真)(CANDU、68万kW)を操業するNBパワー社は10月24日、同発電所が2008年3月に停止して以来初めて、州の送電網に再接続されたと発表した。

同炉ではCANDU6設計では初という運転期間延長のための大規模な改良工事により、380本すべてのカランドリア管や燃料チャンネル、フィーダー管の取り替え作業が完了。今年7月にカナダ原子力安全委員会(CNSC)から再起動を許されたばかりで、商業規模の送電が可能になるには、最終段階の起動テストとして出力の増減や送電網からの解列および再接続などが残されている。また、出力を35%以上に上昇させるにはCNSCの許可が必要。同委は残りの試験や起動活動についても現場検査や技術審査の形で監視を継続する。

同発電所のG.トーマス社長兼CEOは「ポイントルプロー原発が戦列復帰すれば、当社にも州外に電力輸出するチャンスが増大する」とコメント。同発電所の生み出す利益により、債務を削減するとともに、低価格な電力を顧客に安定供給できるようになるとの期待を表明した。

NB社によると、同発電所が本格的に稼働した場合、2020年までに州内の電力需要の75%をクリーン電源で賄うという州政府の目標達成にも貢献が可能だ。CNSCも今年2月、同炉の運転認可を2017年6月まで、さし当たり5年間延長する裁定を下している。


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