ハリケーンで原子炉3基が停止 米規制委

米原子力規制委員会(NRC)は10月30日、米国北東部に上陸した大型ハリケーン「サンディ」により、ニューヨーク(NY)とニュージャージー(NJ)の2州で3基の原子炉が停止したほか、計画停止中だったオイスタークリーク原発で上げ潮と高波および風向きが重なり、取水口近くの水位の高まりが規定値を超えたことから警戒宣言が発令されたと発表した。これらによる外的被害はなく、NRCの検査体制は通常の状態に戻り始めているとしている。

3基のうち、PSEG社がNJ州で操業するセイレム原発では、6台ある河川水循環ポンプのうち4台が使用不能となったため午前1時過ぎに1号機を手動停止。同2号機は10月半ばから計画停止中で、両炉とも現在は安定した状態にある。

NY州のエンタジー社のインディアンポイント原発では、送電網の障害により3号機が午後11時前、設計通りに自動停止したが機器等への損傷や従業員の健康被害、環境への放射能漏れはなかった。同2号機は定格出力で運転を継続中。

同じくNY州でコンステレーション社が操業するナインマイルポイント原発では、所外開閉所の機能停止で非常用ディーゼル発電機が起動し、外部電源が復旧するまで作動した模様。1号機が自動停止したが、2号機は定格で運転を続けたと伝えられている。

NJ州のオイスタークリーク原発で発令された警戒宣言は4段階中下から2番目だが、水位が十分下がるまでエクセロン社は宣言を解かない方針。すでに水位は通常レベルに戻りつつあるほか、外部電源の復旧措置も進行中だ。

このほか、ミルストン3号機、バーモントヤンキー、リメリック1、2号機では、出力を25〜89%まで下げる措置が取られた。


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