新規建設計画に黄信号 E・ONがフィンランドから撤退

ドイツの大手電力であるE・ON社は10月24日、フィンランドで保有しているフェンノボイマ社の株式34%を売却する決定を下した。フェンノボイマ社が東芝および仏アレバ社の原子炉設計を候補に進めている原子力発電所建設計画を含む同国での事業と資産のすべてを売却する手続きを開始しており、今後はスウェーデンやデンマークの既存事業や再生可能エネルギーなど、市場が堅調なその他の北欧諸国に資源や能力、投資金を投入していくとしている。

フェンノボイマ社は電力の小売り企業や多消費産業企業が中心となって2006年に設立した原子炉建設のプロジェクト会社で、E・ON社分を除いた残りの66%はフィンランド企業67社で構成されるボイマオサケイティエSF社が保有。ここには、鉄やアルミによる機器製造大手のコンポネンタ社や国際的にも知られた鉄鋼メーカーのオウトクンプ社のほか、市営や公営の電力エネルギー企業が数多く名を連ねている。

フェンノボイマ社は昨年10月に中西部のボスニア湾に面したピュハヨキをハンヒキビ原子力発電所1号機の建設サイトに決定。同建設計画に対する政府の原則決定(DIP)も09年7月に議会が承認済みで、仏アレバ社製・170万kWの欧州加圧水型炉(EPR)か東芝製・160万kWのABWRを2020年までに建設するため、今年1月に両社から商業入札書を受領した。

総工費は40億〜60億ユーロを予定。E・ON社の戦略見直しにより、同社の撤退分の出資企業が見つかるか否かで同計画の今後の行方が左右される可能性もある。E・ON社が来年春までの出資を約束していることから、両者はそれ以降の出資者を捜す協議を開始したとしている。


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