原子力発電所運転速報 10月、大飯3、4のみで利用率5.2% 北海道電力、停電リスク対策強化

原産協会の取りまとめによると、10月の国内原子力発電所の稼働状況は、前月に引き続き、関西電力大飯3、4号機の2基のみの運転で、全体の設備利用率は5.2%となった。

停止中の発電炉の再稼動が見込まれない中、冬季電力需要増を控え、政府のエネルギー・環境会議は11月2日、今冬の電力需給対策を取りまとめた。それによると、厳寒を想定しても、いずれの電力会社管内とも、予備率3%以上の確保が可能と見込んでいるが、北海道電力管内では、最も厳しい2月で予備率5.8%を確保できる見通しのところ、他社からの電力融通に制約があることなど、地理的な特殊性から、電源脱落リスクへの特段の対応を行うものとしている。

現時点、道内の泊1〜3号機(計261.7万kW)すべて停止中で、再開の見通しが立たぬところ、北海道電力では、最大電力を10年並の厳寒を前提として、563万kWと想定、水力・火力発電設備の補修時期調整、緊急設置電源の追加導入などの供給力確保に加え、新たな需要対策も合わせて導入し、12月で607万kW(予備率7.8%)、1月で601万kW(同6.7%)、2月で596万kW(同5.8%)を確保できると見通している。しかしながら、厳しい気象状況下、電力需要ピークが長期に及ぶ道内の安定供給確保のため、火力発電設備の計画外停止・出力抑制など、リスクを考慮する必要があるとしている。

ちなみに、北海道電力で、ピーク需要日における供給力は、10年度で計674万kW(うち原子力発電119万kW)、11年度で621万kW(同95万kW)だった。


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