規制対話の実施要請 産業界側 規制委は「議論まだ」

原子力規制委員会は9月19日に正式発足して以来、情報公開に力を入れており、定例会議や意見聴取会での資料、議事録などの他、電力会社などの被規制者との間で行う政策決定過程に関する内容の議論についても、記録を残し、原則公開の方針を取っている。

11月5日現在までの被規制者との間で行われた内容について公開されており、今回、1日に服部拓也・原産協会理事長が田中俊一委員長と面談し、(1)規制当局と産業界との意見交換の場の設定(2)原子力人材育成への積極的な取り組み(3)福島廃炉の研究開発は国際プロジェクトで──などの要請を行ったことなどを公表した。

9月25日に行われた電気事業連合会の豊松秀己・原子力開発対策委員会委員長(関西電力代表取締役副社長)との「『安全性向上に向けた電気事業者の取組み』および被規制者としての意見表明の場について」では、安井緊急事態対策監、金指総務課課長補佐が対応。安全性向上に向けた電気事業者の取組みについて説明を受けたほか、「被規制者として安全規制について意見が述べられる場を設定してほしい」との要望に対して、規制庁側からは「まだ、原子力規制委員会では、そうした点は議論されていない」と回答したことが明らかになっている。

また、10月1日に行われた電源開発との「大間原子力発電所の建設工事の再開について」では、大村安全規制管理官(BWR担当)らが、電源開発から大間原発の建設工事の再開と建設工事の進捗状況について説明を受けたとしている。公開資料では、9月14日に政府の革新的エネルギー・環境戦略が決定され、「その後、建設中の原子力発電所の取り扱いが明確になったことを踏まえ、地元の皆様の理解の下、建設工事を再開することとした」と説明。さらに、「福島第一原子力発電所事故を踏まえた安全強化対策を運転開始前までに確実に実施するとともに、原子力規制委員会による新しい技術基準等を常に適切に反映して、より安全な発電所となるよう今後とも全力を挙げて取り組んでいく」としている。


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