首相候補がビサギナス破棄表明 リトアニア

10月にリトアニアで行われた国会議員選挙の結果、新政権の首相候補となっている社会民主党(LSDP)のA.ブトケビチウス党首は4日、同党のウェブサイト上で「国民投票結果を考慮し、LSDPはビサギナス原子力発電所を建設すべきでない」との考えであることを明らかにした。

10月14日に議員選挙と併せて実施された国民投票では、投票者の6割がビサギナス建設計画に反対意見を表明。法的な拘束力を持つものではないが、ブトケビチウス党首は前政権のエネルギー政策を完全な失策と評価するとともに、LSDPの原子力新設計画に対する立場は明解であり、国民が意志を示した投票結果を無視することは政治的にも道徳的にも間違っていると断言した。

ただし、同氏は選挙直後に「原子力には反対しないがビサギナス計画の経済性には疑問」とコメントし、同計画の最終的な価値計算等に関して冷静な議論が必要だと指摘した模様。地元誌のインタビューに対しても、ビサギナス原発をリトアニアに建設すべきでないとする法案を議会にかける方針を表明する一方、「そのうち米国でいくつかの原子炉が認可を受けることだし、それらをリトアニアに建設することもあり得る」と述べるなど、将来的に原子力発電を利用する可能性を残したと伝えられている。


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