安全性・信頼性に賛同 ガス炉国際会議 広がる関心国

第6回高温ガス炉技術国際会議(日本原子力学会他共催)が10月29日から11月1日まで東京の日本科学未来館で開催された。同会議の日本開催は初めてで、18か国から224名が参加した。

その中で、安全基準に関するパネルセッションでは、日本原子力研究開発機構が「本質的に安全な高温ガス炉」の概念を提案し、出席者らの賛同を得たほか、一般公衆が安全性を理解するには(1)決定論的な評価により安全を理解してもらうこと(2)マスコミなどを通して理解を進めること――が重要であると合意した。

研究発表は、核熱利用、炉物理、熱流動、燃料・廃棄物、材料・機器などの8分野で行われ、従来の参加国等に加えて、台湾、スウェーデンからの発表もあり、研究開発の実施国拡大が伺えた。

会議宣言として、(1)AVR、HTR‐10及び最近の高温工学試験研究炉「HTTR」による試験が、高温ガス炉の格別な安全性と信頼性を有する原子力技術として特出していることを実証しており、また、これからHTTRで行われる安全性試験は世界的にも高温ガス炉に対する公衆の信頼・受容性を高める上で有益であること(2)蒸気から水素の製造までの核熱利用は、潜在的に高い市場性を有していること(3)高温ガス炉は人口増加や産業の発展、並びにそれらに付随するCO排出や化石燃料の資源問題などに対して有効であること(4)高温ガス炉は商業展開に近い段階であり、産業界、政策当局、ユーザー及び投資家はその価値を認識すべきであること――が採択された。


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