ブラジルで原子炉拡販イベント 三菱重工

三菱重工業は11月29日、同社と仏アレバ社の合弁事業体であるATMEA社が開発した原子炉設計「ATMEA1」を拡販するため、ブラジルのリオデジャネイロでイベントを開催したと発表した。2030年までに400万〜800万kW規模の原子炉新設を計画する同国にATMEA1の採用・建設を促すため、同設計の特長を紹介したほか、ブラジルにおける国産化戦略を説明した。

今回のイベントには約30の企業と機関から総計100名以上が参加。三菱重工としては、ATMEA社が親会社の支援の下で、地元企業の参加を得ながら原子力発電所計画を発展させるというブラジル政府の方針をサポートしていくとの意気込みを提示。第3世代プラスで出力110万kWの中型PWRであるATMEA1の特長として、(1)実証済みの技術(2)最高水準の安全性(3)高い経済性――を有するとし、ブラジルの電力網に対応できるなど、同国の使用環境に最も適合すると強調した。

また、同設計がすでに、ヨルダンの原子力導入計画で最有力候補の1つであると指摘するとともに、アルゼンチンでも今年7月、新規の原子力計画に適合するとの評価を受けた事実に言及した。

ブラジルではエネルギー消費が年率4.5%の伸びを示しており、10年後の需要は約50%の増加が見込まれる。原子力の発電シェアは3.2%だが、現在稼働中のアングラ1、2号機に加えて同3号機を建設中。同炉の建設は1976年に独シーメンス社製PWRの機器発注で始められたが、景気後退等により作業は一時中断。事業者は10年、同炉をアレバ社製・出力140万kWのPWRとして改めて発注すると表明している。


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