【原子力発電所運転速報】 11月の設備利用率5.3%に 北海道で大規模停電発生

原産協会の取りまとめによると、11月の国内原子力発電所稼働状況は、関西電力大飯3、4号機の2基のみがフル稼働し、全体の設備利用率は5.3%。他のプラントは引き続き、すべて停止している。

厳冬期に向けて、これから電力需要の急増が見込まれる北海道では、27日、暴風雪の影響により鉄塔が倒壊するなど、室蘭地区を中心に送電への支障が生じ停電に見舞われたほか、電線の垂れ下がりにより、道路交通も寸断された。30日までに全面復旧したが、泊1〜3号機(計207万kW)が全停止しているところ、北海道電力では、計画停電回避のため、でんき予報の充実を図るなど、節電啓発に努めている。

東北電力の女川発電所では6日、炉心損傷等が発生した場合、水素爆発を防止するため、2号機で原子炉建屋ベント装置の設置工事が開始された。今後、同1、3号機でも、ベント装置の設置工事に着手するほか、水素検知器も設置することとしており、いずれも12年度内の完了を目指す。

また、同東通発電所では26日、当初計画していた高さ約2mの防潮堤(全長約2km)の工事が完了した。防潮堤は、中央防災会議の津波検討結果を踏まえ、念のため、さらに高さ約1m分のかさ上げを行うこととしており、雪解け後に工事を再開し、13年5月までの完了を目指す。これと並行して設置工事が進められてきた防潮壁については、10月末に工事が完了している。

東北電力では、さらなる安全性向上に向け、「フィルター付格納容器ベント設備の設置」、「格納容器上部等の密閉性確保対策」などを検討している。


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