政府が事故調フォロー会議 座長に北澤氏 3月に報告書まとめ

長浜博行・原発事故担当相の下に設けられた「東京電力福島原子力発電所事故に関し国会および政府に設けられた委員会の提言のフォローアップに関する有識者会議」(座長=北澤宏一・科学技術振興機構前理事長)の初会合が7日、東京・港区の三田共用会議所で開かれた(=写真)。

座長に就任した北澤氏は、「今回の福島事故で、原子力はフェールセーフにできていない未完の技術であることが明らかとなった。原子力は暴走する技術であったことを踏まえた上で、いかに安全にリスクを下げてやっていけるか、しっかり国民に見えるよう、他のエネルギーのリスクのことも考えながら検討して行きたい」と挨拶した。

政府事故調委員長だった畑村洋太郎氏(東大名誉教授)は「事故を起こさせないことを考えることと、事故が起こったときにどうするかの両方を考えなければならない」と強調した。

民間事故調委員長を務めた座長の北澤氏は、「日本だけが重大事故対策を取っていなかった。なぜ日本でなされなかったのか、組織と法律の問題を解明すべきだ」、「規制機関の独立性は形はできたが、規制の力を蓄えるのはこれから、人の教育が重要だ」などの意見を表明した。

国会事故調委員長だった黒川清氏(元日本学術会議会長)は、新しい規制組織の要件は充足されたかとの視点から、「検討状況や実施計画を明らかにしなければ、信頼は回復しない」などと述べた。

来年3月までに報告書を取りまとめる。


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