運転期間を7年延長へ 英国 2サイトのガス冷却原発

英国の稼働中原発16基のうち、15基までを所有するEDFエナジー社は4日、古いガス炉であるヒンクリーポイントB(AGR2基、各65.5万kW)およびハンターストンB(AGR2基、各64.4万kW)両原発の合計4基について運転期間を7年延長し、少なくとも2023年まで運転すると発表した。国内で多くの原子炉が高経年化するなか、原子力産業界におおける専門的スキルや雇用の保持が目的。同社がヒンクリーポイントC発電所として進めている第3世代プラスの欧州加圧水型炉(EPR)2基の新設計画に何ら変更がない点を強調している。

この判断は2010年にヘイシャム1号機およびハートルプール原子力発電所の運転寿命を5年延長したのに続くもの。英国では運転期間に法的規定がなく、10年毎に英国原子力規制庁(ONR)が実施する大がかりな定期安全審査(PSR)で経年劣化の評価を行う。両発電所では次回のPSRは2015年に予定されており、通常の定検結果と合わせて安全上満足な結果が得られれば延長が認められる。

両原発では現在、関連技術の研修生73名を抱えているほか、毎年20名が新たに訓練を開始。EDF社では両発電所が稼動する限り、このプログラムを継続していく。また、今回の2原発を含め、すべてのガス炉で平均7年間の運転期間延長を検討しており、国内で唯一稼働するPWRのサイズウェルB原発についても20年、延長する方針を表明している。

なお、EDF社は同日、ヒンクリーポイントBサイトのビジター・センターを再開した。原子力発電所に関する理解促進のための施設で、同社のV.デリバスCEOは、福島事故後に英国の主席検査官が「一般大衆その他の関係者と一層オープンで信頼性と透明性の高い関係を築く方策を模索するよう」原子力産業界に勧告した点に言及。これを最大限に実行する誓いの証しとして同センターを再開したとしている。


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