現実路線重視の自民党が大勝 安倍元首相返り咲き 自公で衆院3分の2以上 エネ基本計画や日米原子力協力 民主党路線の修正課題

第46回衆議院選挙が16日行われ、与党・民主党が大敗し、自民党が3年3か月ぶりに与党として返り咲くことが決まった。

即日開票の結果、自民党は前回選挙公示前議席300議席に迫る293議席、今回選挙前の119議席の約2.5倍の議席獲得となった。これに公明党の30議席(今回選挙前は21議席)を加え323議席を確保、衆院の3分の2の320議席を超え、安定した政権与党を構成することになった。

民主党は今回選挙前の230議席が57議席と4分の1に激減。主な現職閣僚の藤村修・官房長官、城島光力・財務相、樽床伸二・総務相、田中真紀子・文科相ら8閣僚と、仙谷由人・元国家戦略相、鉢呂吉雄・元経産相、川端達夫・元文科相、小宮山洋子・元厚労相、福島事故直後に当時の菅首相とサイトに同行した寺田学・元首相補佐官らも落選した。

今回の選挙で多党化した第3極では、日本維新の会が54議席(今回選挙前は11議席)、みんなの党が18議席(同8議席)で躍進したが他8党は議席を減らした。小選挙区の投票率は前回から約10ポイント減少し、59.32%と戦後最低だった。

今後、26日にも予定される特別国会での首班指名で自民党の安倍晋三総裁が第96代首相として返り咲き、組閣をすすめる。

原子力を取り巻く社会的状況は相変わらず厳しいが、エネルギーや原子力についても現実的な責任ある政治を目指す自民党が与党に復帰することで、新安全基準に照らして安全性が確認された原子力発電所から、地元の理解を経て、順次再稼働し安定した電力供給に寄与していくことや、総合資源エネルギー調査会でのエネルギー基本計画の策定に向けても前進することが期待される。

また、燃料サイクルの確実な推進政策に基づき、2018年には期限がくる日米原子力協力協定の延長・改訂交渉に臨むことにもなる。

来年7月までに行われる参院選挙が次の焦点。自民・公明党が参院で否決された法案も衆院で再度、3分の2以上で可決すれば通るものの、原子力委員や原子力規制委員、日銀総裁などの国会同意人事は、衆参各院の承認が必要となる。


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