サイエンスタウン構想決定 東海村 原子力と地域社会調和めざす

東海村はこのほど「東海村と原子力の将来像〜『TOKAI原子力サイエンスタウン構想』」を決定した。「東海村らしさ」を活かした原子力に関するサイエンスと人づくり等の拠点として、世界に貢献する「21世紀型の新たな『COE(Center Of Excellence)』」となることを目指すとともに、原子力と地域社会が調和した国際的でオープンなまちづくりを推進していくとしている。

同構想は、(1)J‐PARCや研究炉でのニュートリノ研究やがん治療研究など、最先端の原子力科学や基礎・基盤研究とその産業・医療利用(2)福島第一原子力発電所事故の収束への貢献や放射性廃棄物処理の試験研究や実証など、原子力の安全課題解決の先導(3)「安全神話」「原子力ムラ」が生まれた背景の考察や利害関係を離れ自由で率直に議論できる場として、社会科学・政策科学知の集約と提言(4)国際原子力機関(IAEA)と協力しての人材ネットワークづくりや原子力への洞察力や謙虚さを有する安全文化づくりなど、国際的に活躍できる人材の育成――を柱としている。

東海村らしさとは、(1)我が国の原子力を半世紀にわたって先導(パイオニア)し、原子力利用の重さも体感(=大事故を経験)した(2)原子力の研究開発を総合的に実施できる高度な人材と施設・設備が集積(世界的にも稀有)している(3)多くの科学者・技術者がこの地域に終の棲家を得ており、地域社会と原子力が融合し文化が創造されつつある――ことであるとし、地域社会が主体となって提言・行動する原子力とまちづくりを進めていくとしている。


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