アルゼンチンと原子力協力へ UAE

アラブ首長国連邦(UAE)の国営通信WAMによると、UAEは14日、「世界未来エネルギーサミット」に参加するためアルゼンチンのC.フェルナンデス大統領(=写真左)が同連邦を訪問したのに合わせて、同国と平和利用分野における原子力協力覚書(MOU)を締結した。

UAEは現在、アブダビ首長国のブラカでUAE初の原子炉となる出力140万kWの韓国製APR1400を建設中。

アルゼンチンは30年以上にわたって重水炉2基を運転していることから、同国からも将来的に専門技術や知見、核物質などの移転を求めていく考えだ。UAEにとって同国は米国、英国、韓国、日本、仏国、カナダ、ロシア、豪州に次いで9か国目の原子力協力国となるが、南米では初めて。

なお、ロシアとの政府間協力協定は昨年12月17日に締結したばかりで、ロシアの総合原子力企業であるロスアトム社のS.キリエンコ総裁とUAEエネルギー省のM.アル・ハムリ大臣が署名した。ロシアから天然ウランおよびウランの転換・濃縮サービスをUAEに供給するために、両国企業が同年8月に結んだ契約を実行に移す法的な枠組みとなる。

同連邦初の原子力発電所となるブラカ計画では昨年7月に建設許可が発給され、2017年と18年に1、2号機の完成を目指して本格的な建設作業が始まったところ。

8月の契約では、ロシアのウラン製品・サービス販売企業であるTENEX社が首長国原子力会社(ENEC)と15年間の長期供給契約を結んでおり、最初の出荷は14年に予定。契約総額は30億ドルにのぼるとしている。

また、韓国電力(KEPCO)の企業連合が同建設計画を受注した関係で、ロシア製濃縮ウランは同企業連合に属する韓電原子力燃料会社(KNF)に納入され、ブラカ原発向けの燃料集合体に加工されることになる。


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