露が準備作業に財政支援 バングラデシュの導入計画

ロシアのV.プーチン大統領は15日、バングラデシュが進めている原子力導入計画の準備作業に5億ドルを融資することで同国と政府間協定を結んだと発表した。

2011年11月に100万kW級のロシア型PWR(VVER)2基の建設で協力協定を結んで以降、両国はバングラデシュ側の原子力法制基盤や規制、人材育成などに関する協力で協議を実施。今回、サイト調査や実行可能性調査および環境影響調査などの作業で融資が決まったことから、2017〜18年の完成を目指して建設計画が加速すると期待されている。

今回の協定は、バングラデシュのS.ハシナ首相がロシアを公式訪問したのを機に、教育や文化、農業など広範囲な分野における両国間の協力強化の一環として締結された。

原子力分野では原子炉建設計画に対する技術的、財政的支援のほか、バングラデシュの首都ダッカに原子力情報センターを設置することも決定している。同センターでは3次元映像やCG、アニメーションなどがステレオ音響で鑑賞可能で双方向コンソールやディスプレイも装備。原子力エネルギーの性質に関する基礎的な児童教育プログラム等を提供する近代的でハイ・テクな上映施設となる予定だ。

バングラデシュでは東西パキスタン時代の1960年代から原子力発電所の建設構想が立ち上がっていたが、独立戦争や資金調達の問題により何度か頓挫。現在の計画は2009年にロシアが協力提案したもので、ダッカの北西200km、ガンジス川沿岸のルプールに合計200万kWの原子力設備を建設する。

2011年2月の事前合意に基づき、両国は同年11月、主契約者をロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)社とするほか、燃料供給や使用済み燃料の引き取り等でも協力する協定を締結。ロシアのロスアトム社は二重の格納容器や静的な熱除去システム、水素の再結合装置、コア・キャッチャーの装備など福島事故後の安全要件のみならず、国際的な安全要件のすべてを満たす原子炉設計を提供するとの見解を表明している。


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