性能試験再開に向け準備 文科省 「もんじゅ」計画中間整理

文部科学省のもんじゅ研究計画作業部会(主査=山名元・京都大学原子炉実験所教授)は22日、高速増殖原型炉「もんじゅ」の研究開発計画に関する中間的論点整理を取りまとめた。前政権下で策定されたエネルギー・環境戦略を踏まえたもので、当面は、安全確保に万全を期しつつ性能試験に向けた準備を進めることとし、重要度・優先度を見極め試験計画を策定していく。

12年9月決定のエネルギー・環境戦略では、「もんじゅ」については、「年限を区切った研究計画を策定、実行し、成果を確認の上、研究を終了」とされている。これを受け、作業部会は10月より6回の会合を召集し、「もんじゅ」を設置する日本原子力研究開発機構他からヒアリングを行い、今後の研究開発のあり方について検討を行った。

現行の原子力政策で、「もんじゅ」の役割は、「発電プラントとしての信頼性実証」と「運転経験を通じたナトリウム取扱技術の確立」を掲げていたが、今回論点整理では、「高速増殖炉プラントとしての安全性を含む技術成立性の確認等、成果の取りまとめに」と「廃棄物の減容および有害度の低減」に向けた中核的研究開発の場と位置付けている。その上で、「もんじゅ」の技術体系を、「炉心・燃料技術」、「機器・システム設計技術」、「ナトリウム取扱技術」、「プラント運転技術・保守技術」、「福島発電所事故を踏まえたシビアアクシデント対策技術」に整理し、研究開発項目の分類を行った。

「もんじゅ」性能試験は、10年8月に炉内中継装置落下トラブルで中断となっており、当面の研究の進め方としては、本年夏頃から、約4か月かけて試験再開の準備に入るが、規制委員会の新安全基準策定状況によっては、時期の変更がありうるとしている。それまでは、設備の健全性確認などの技術的検討、安全面の確認を行うが、耐震評価については、旧保安院の指示を受けた敷地内破砕帯の追加調査を年度内にも終了させる。

ただし13年度の政府予算案ではもんじゅの試運転に必要な費用は盛り込まれていない。


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