輸送容器で一貫体制 日立造船が米設計会社買収

日立造船は22日開催の取締役会において、米国連結子会社を通じ、使用済み燃料の輸送容器の設計や輸送を行っているNACインターナショナル(NAC)社の全株式を取得し、子会社化することについて決議し、翌23日付けで親会社の米国ウラン濃縮会社USEC社と株式譲渡契約を締結した。株式取得額は4500万ドル(約40億円)。

NAC社は1968年の創業以来、長年にわたり、米国、日本およびその他アジア諸国等において、使用済み原子燃料保管/輸送機器に係る設計、輸送およびコンサルティング業務を提供してきている。特に使用済み燃料の保管・輸送に関わるノウハウおよびライセンスに関しては業界内でも高い評価を得ており、同社が近年開発した使用済み燃料貯蔵用キャニスター「MAGNASTOR」は、米国原子力規制委員会(NRC)の設計承認を取得した高収納キャニスターとして、原子力発電所で採用されている。

日立造船とNAC社とは、日立造船が1988年にキャスク初号機を納入以来、長年に亘り、良好なビジネス関係を構築してきている。今回の買収は、使用済み燃料保管・輸送機器に係る設計、コンサルティングから製造、輸送まで一貫したサービスを、世界的な観点から提供できる体制を整えることができ、海外市場でのさらなる新規開拓などをねらったもの。実際の株式取得は3月中の予定。

NAC社の本社は南東部のジョージア州にあり、年間売上高は7100万ドル(2011年12月期)となっている。


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