メーカー5社が入札提案 フィンランドのOL4建設計画

フィンランドのテオリスーデン・ボイマ社(TVO)は1月31日、オルキルオト原子力発電所4号機(OL4)建設計画の国際競争入札で、仏アレバ社、GE日立(GEH)社、韓国水力原子力会社(KHNP)、三菱重工業(MHI)および東芝の5社から提案書を受領したと発表した。

今後、同社のスタッフ150名がこれらの提案について、技術的要件の十分な遵守状況や建設コストなどの経済性を検証するとともに競争力に関しても評価。優先交渉対象者の選択に続いて、最終的な供給業者を年内に決定し、2015年7月1日までには建設許可を申請したいとしている。実際の建設工事は同認可の取得、および株主による最終的な投資決定の後に開始する計画だ。

TVOは現在、アレバ社の欧州加圧水型炉(EPR)を採用したオルキルオト3号機を建設中だが、原子力インフラの整った同じ敷地内で建設するOL4としては出力145万kW〜175万kWの原子炉を想定。設計選択肢に関しては、PWRとして165万kWのEPRとMHI製APWRのほか、出力145万kWの韓国製APR1400を候補とする一方、BWRとしては出力165万kWの東芝製ABWR、およびGEH社製ESBWR(高経済性・単純化BWR)が対象である。

TVOはOL4の環境影響評価(EIA)を2008年に実施した。温排水の放出による海水の温度上昇など同新設計画による環境影響は低いとの結果を得た後、10年に政府と議会から「原則決定(DIP)」を取得。昨年3月にはフィージビリティ・スタディなど先行エンジニアリング契約段階の手続きを開始していた。運開は2020年頃を目標としている。

なお、KHNP社の発表によると、同社は韓国原子力産業の企業連合として入札に参加。この中には韓国電力技術(KOPEC)、斗山重工業、韓電原子燃料(KNF)、韓電機工(KPS)、およびサムスン物産とSK建設が含まれる。世界最高水準の安全性を要求するフィンランドの新設事業に参加することで、韓国原発の安全性と技術力を立証し、世界の原発市場の約4割を占める欧州市場に進出する足がかりとしたい考えだ。


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