再稼働に向け追加試験実施へ ベルギーの2基 圧力容器のヒビ徴候問題で

ベルギーの稼働中原子炉7基すべてを操業するエレクトラベル社は4日、昨年夏に原子炉圧力容器でヒビの徴候が検出され、停止中のドール3号機およびチアンジュ2号機の再稼働に向け、圧力容器の負荷試験など追加試験の詳細等を盛り込んだ行動計画を連邦原子力規制局(FANC)に提出した。これまでに得られた技術情報その他の報告書から、FANCは1月15日に「両炉を永久閉鎖しなければならないような要素は見あたらない」との見解を発表する一方、行動計画の提示を含め両炉の再稼働を許可するための要件を今月1日付けで公表。エレクトラベル社は3月末までに1次系圧力試験や母材の機械的検査などを実施しFANCに報告書を提出するが、再稼働の可否の判断はFANCの勧告を受けて政府が下すことになる。

ドール3号機では昨年6月、圧力容器の超音波探傷検査を実施した際、母材で約8000個の毛状ヒビの徴候を示す信号指示が検出された。念のため、同炉と同じRDM社製・圧力容器を有するチアンジュ2号機でも同年9月に探傷検査を行ったところ、ドール3号機ほどの数ではないものの同様の信号指示が検出されたことから、エレクトラベル社は内外の専門家の支援を得て原因究明調査を実施。FANCもこの問題について公平かつ独自の判断を下すため、専門機関を組織するとともに国際的な専門家によるグループを設置して科学技術的な助言を仰いだ。

これらによる調査報告書に加え、FANCの技術支援組織である「ベルV」等の結論から得られたデータを議論・評価した結果、FANCは最も可能性の高い原因として、圧力容器製造時に材料中の微量元素の、組成に偏りが生じた部分に水素が集まり、これが鍛造時に発生する「白点」が挙げられると指摘。その上で、(1)圧力容器の製造(2)供用期間中検査(3)ヒビ徴候の冶金学的原因と進行(4)材料物質の特性(5)圧力容器の構造的健全性(6)事業者による追加対策と行動計画の提案――については未解決課題が浮上していると言明した。

FANCは「現在の既知知識と入手可能なデータによれば、これらの未解決課題は両炉を永久閉鎖しなければならないような状態を示すものではない」と明言。しかし、未解決のままでは両炉の安全稼働能力に対する信頼性が損なわれることから、事業者に補足情報の提供を要請。これらの課題に課した要件が満たされた場合にのみ、再稼働が許されるとしている。

今回、エレクトラベル社が提出した行動計画では、これらの要件を満たすための方法論や適用基準が盛り込まれており、FANCによる同計画の承認を経て、同社はこれを実行。その結果をFANCやベルVが評価した上で、両炉の再稼働に関する最終報告書がまとめられることになる。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで